◇ 規 制 緩 和 について <医薬品の一般小売店における販売について>
本年2月17日 政府の経済財政諮問会議は、医薬品の一般小売店(コンビニ等)に
おける販売の容認を盛り込み、重点検討項目として2年以内の規制緩和実施を目指し
ています。
今 全国の各種医薬品小売団体は一致団結し、これを阻止すべく努力中です。
配置販売においては全配協、配置薬議員連盟をはじめ各県で今行動を起こしています。
配置薬業では、その得意先で販売する医薬品の種類と数量を把握しており、人と人
の繋がりを持ち、配置先での在庫状況をすぐさま把握することが可能で不測の事態に
も即応できる体制にあります。また、お得意先の病状は素より、その体質までも把握
し、得意帳に記載しています。
一方 一般の小売り店舗での販売は、だれが何時どのような医薬品を購入したかに
ついては一切不明であり、副作用報告等により、万が一回収が必要になった場合には
お手上げの状態です。
医薬品は、その特殊性から全く知識のないものが販売すべきでないと考えるのは、
われわれ販売業者だけとは到底思われません。
この規制緩和は、確かに一般消費者の利便性を向上させると思われますが、反面
十分な服薬指導もないまま、一般消費者がこれを入手して服用することは、予期せぬ
副作用発症の危険性をともなうものであり、安易に規制緩和を行わないよう奈良県・
富山県・滋賀県他多数の県議会から政府に意見書を提出しています。
医薬品の用い方は注意事項欄に記載されているとは言え、すべての消費者が隅々ま
で熟読してから服用するとは考えられず、適切な服薬指導はもっとも重要視されてい
る事柄です。
この7月30日(水)には、富山・奈良・滋賀の代表が厚生労働省へ出向き3時間にわ
たり要望を行いました。
また消費者の中には、その医薬品の成分を熟知した上で、故意に医薬品を乱用する
者もあり、このような場合には社会的な秩序を揺るがす大問題を引き起こす可能性
をも持っています。
危険な服用については、現在でも種々報告されているように、これ以上社会秩序が
悪化する恐れのある規制緩和は、モラルの観点からも到底実施するべきではないと考
えます。最後に、奈良では寺院の施薬として独自に発展を遂げた配置薬の歴史(文化)
がある。我々は先輩諸氏から「置き薬」の精神を受け継ぎ、これまで様々な場面で国
民の保健衛生に寄与させていただいた。その精神を忘れることなく、これからも地域住
民の健康を守る立場を深く自覚し、消費者からの信頼保持のため、常に自己研鑽に努
められますようお願いいたします。
◇ 医薬品(カテゴリー)のまま、一般小売り店舗での販売を容認
今までの規制緩和では、医薬部外品のカテゴリーへ移行した上で一般小売り店舗での
販売を認めてきました。
今回は「骨太の方針第3弾」と提唱され、医薬品のカテゴリーのまま一般小売店での販売
を容認する考えです。
◇ 「置き薬」程度の、医薬品は副作用がない。
配置薬程度の医薬品は、一般小売店へ解禁する。 規制緩和担当大臣は、このように
発言されています。
国民の生命と健康を守る立場、にある方の発言とは信じられない言動です。
◇ 得意帳の記帳について <厚生労働省と配置薬業界>
厚生労働省は配置薬業界について、配置先の医薬品の在庫・使用状況とお得意先の
健康状態を把握されているものと理解されています。
我々は、この厚い信頼に応えねば繁栄はできません。配置販売業者として最低限のモラル
は記帳であると考えます。